話し方と動作

■話し方と動作


職場はさまざまな立場や役割の人で構成されています。
言葉遣いや立ち居振る舞いのマナーを、きちんと身につけるようにしましょう。



■言葉使いの基本

職場はさまざまな立場や役割の人で構成されています。仕事を通して外部の関係者やお客様といった立場の異なる人々との交流が発生します。その人たちと良好な関係を築き、スムーズに仕事を進めるためにも、相手に応じた話し方をマスターする必要があります。

ビジネスマナーには基本の言葉使いがあります。「です」「ます」「でございます」といった丁寧語はビジネスの中での基本的な言葉遣いです。
これに加えて、相手の立場や役割、その人と自分の位置関係、そのときの話題の中心となる相手や状況などに応じて尊敬語や謙譲語を使って会話をすることになります。

■自分と相手の呼び方

自分の呼び方は、職場では男女とも、「わたくし」が基本です。同僚同士なら「僕」「わたし」を使ってもかまわないかもしれませんが、上司やお客様の前では必ず[わたくし」を使うようにしましょう。

同僚や仲間に対しての呼び方の基本は、[さん」です。目下の男性を「くん」と呼ぶ人もいますが、職場では「さん」と呼ぶようにしましょう。

上司の呼び方の基本は「名前に役職名」ですが、名前を「さん」づけで統一している会社もあります。社内では「さん」での呼び方でもかまいませんが、取引先やお客様など第三者の前では、必ず役職名をつけて呼ぶようにしましょう。

また、取引先、社外の人に対しては、「名前に役職名」か「役職名と名前に様」で呼びます(○○部長、△△部長の○○様)。相手の肩書きは間違えないようにしましょう。特に部長を課長と間違えるなど下位の役職名に間違えるのは、大変な失礼にあたるので注意が必要です。

■敬語の使い方

●尊敬語
尊敬語とは、相手の行為や状態に用い、敬って言い表す言葉です。上位者と社外の人に対しては、相手または話題の人(物)を高めることで敬意を表します。
 (例)社長が見る→社長がご覧になります

●謙譲語
謙譲語とは自分の行為や状態に用い、へりくだって相手への敬意を示す言葉です。自分自身、身内、話題の人(物)を低めることで、相手および話題の人に、敬意を表す言い方です。
 (例)私が見る→私が拝見します

●丁寧語
丁寧語とは、基本的には相手を高めるのに用いますが表現を美しくし、好感を与えるために使うこともあります。美化語とも呼びます。
 ・「です」「ます」「ございます」を付ける。
 (例)資料でございます
 ・「お」「ご」を用いる。
 (例)お電話でございます

●丁寧語の使い方
丁寧語に切り替えると(日常→丁寧語)
「わたし→わたくし」「わたしたち→わたくしども」「誰→どなた様」「あの人→あちら様」「これ→こちら」「さっき→先ほど」「あとで→のちほど」「少し→少々」「どうしますか→いかがなさいますか」「すみませんが→恐れ入りますが」「いいですか→よろしいでしょうか」

●ビジネスの慣用句
「少々お待ちください」「お待たせいたしました」「かしこまりました」「恐縮ですが」「お手数ですが」「申し訳ございません」「席をはずしております」「頂戴いたします」

■「お」「ご」のつけ方

「お」「ご」のつけ方
@尊敬語を示す
 先生のお話、社長のご出席、お客様のご都合
A相手のものを表す 
 おからだ、お顔、お車、お考え、ご意見、ご家族、ご出席
B「お」「ご」をつける習慣が固定している
 お辞儀、おはよう、ご飯
C相手と関係のある言葉
 お電話、お手紙、お返事、ご報告
D動作・状態を表す敬語
 「お(ご)〜する」「お(ご)〜なる」
E形容詞、形容動詞に添えて、尊敬語、丁寧語にする
 (尊敬語)お忙しい、お近く、お元気 (丁寧語)お寒い
F言葉を和らげ、上品に表現する
 お話、お寿司、お茶、お米

「お」「ご」をつけないもの
@外国語  ジュース、コップ、テキスト
A社会的な言葉  会社、新聞、手帳
B公共の施設  学校、病院、汽車、役所
C「お」「ご」の音で始まる言葉  応接室、踊り、折詰、扇
D長い音節の―語  ほうれんそう
E―音節の言葉  目、歯、手、気

■姿勢と振る舞い

動作の基本はまず姿勢です。
姿勢をよくする目的は自分自身の心身の健康を保つためであり、相手に好ましい印象を与えるためです。

次に大切なのは立ち姿です。
背筋を伸ばし、肩と両手の力を抜いて自然に腕を下ろし指先を軽くそろえます。あごを引き、目線は水平です。男性は、伸ばした両手の中指をズボンの両側の縫い目にそわせるようにします。
美しい立ち姿のポイントは、「背すじを伸ばす」「目を合わす」「手は指先を軽くそろえる」「ひざを伸ばし、土踏まずに重心を置く」「服装にも気を配る」などです。

座り方も大切です。
きれいに座るのはなかなかむずかしいものですが、つぎのようなことを心がけましょう。
@両手は、身体にそわせ両膝の上にのせる。 
Aソファの場合、背すじを伸ばし、背もたれとの間に、にぎりこぶし一つ分の空間をとる。 
Bくつろいだ場所以外では足を組まない。 
C応接室のソファなどに座るときは、女性は斜めに足を流すと美しく見える。

■お辞儀の仕方

お辞儀には3種類あります。3種類のお辞儀はTPOに合わせて使い分けます。

会釈・・・曲げる角度は15度くらい。同僚との朝夕の挨拶、上司や顧客と廊下ですれちがったときなどにします。目礼も会釈の一つです。
普通礼・・曲げる角度は30度くらい。来客を迎えたり見送ったりするときや、朝夕に上司に挨拶するときなどに使う標準的なお辞儀です。
敬礼・・・曲げる角度は45度くらい。お礼を言ったり、お詫びを言うなど、正式な場面で改まった挨拶をする場合のお辞儀です。

 

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